排水処理施設で起きる糸状菌が原因のバルキングというのは厄介なことですが、改善は様々な方法がありますが、始める前に調べるべきことがあります。
(1)施設の概要
どのような槽がどのような順番で並んで、どれくらいの容量があるのか。どのような処理の方式か調べるとともに1日あたりの排水の流入量を調べる。
(2)排水の特徴を調べる
どのような排水で何が問題になっているのかを確かめる。
(3)バルキングが一過性のものかずっと継続しているのかを確認する。
(4)流入水の分析値を調べる
例えば、BOD、COD、全窒素、全リン、SS、pH、MLSS,DOなどの数値は必要になります。
(5)処理水の規制値があると思いますが、その基準は達成できてきたのかも調べてみてください。
その上で観るのが曝気槽の溶存酸素のレベルとF/M比です。
溶存酸素が低いとどうしても糸状菌は発生しやすくなるので、溶存酸素のレベルをを改善できるかどうか確認お願いします。
汚泥が沈みやすいかどうかを判定する数値としてF/M比という数値があります。早い話が単位生物あたり利用可能な餌の量をいいます。BODをMLSSで割るような方式で出します。具体的には以下の計算式です。
F/M比=BOD(g/L) x 一日あたりの流量(m3/日)/MLSS(g/L) x 曝気槽の容量(m3)で算出します。
このF/M比というのは数値の値が高くなれば処理のスピードは向上しますが汚泥の沈降は悪化します。理想的にはF/M比は0.2-0.45となります。
この値が高いと汚泥は沈みにくくなりますので。高い場合は改善の必要があります。
F/M比の改善をするならば分子の値を小さくするか、すなわち一日の流入量を減らすか、BODの値を小さくするか、もしくは分母の曝気槽の容量を上げるかということになりますが、そうした改善は可能か検討をしてください。さらに会社の歴史とも関係してきますがプラントを設計されたときに想定していた流入水の量とBODはどれくらいだったのかも調べた方がいいです。
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