硝化の中でアンモニアを亜硝酸にする過程は一般的に反応が制限されたものであることが知られています。大量のアンモニアが排水中に入り、自然の硝化の中ではこの達成が困難になった場合は硝化細菌の投入が求められます。
大量のアンモニアを含む排水を低い水温で硝化細菌のニトロソモナスを使用して処理をして硝化が順調となり改善したイギリスの製糖会社のケーススタディの要約を報告します。使用した微生物剤はBFL5800NTです。
この会社はイギリスに本社があり、36000の農家から年間750万トンのビートを購入して砂糖を作っている会社です。ビートから砂糖を作る処理の中でアンモニアが発生します。ビートの処理の最盛期は9月から1月になり硝化が行われるのはシーズンの終わりです。
(1)問題点
- 高いレベルのアンモニアを含む排水が溜めておくラグーン(池) の容量を超えそうである。
- 冬季の低い水温では立ち上がりの段階で硝化が抑制されてしまう。低い温度とは8.5℃くらいの温度をさします。流入水のアンモニアは1日あたり170kg/日であった。
(2)処理の目的
- 溜めてあるビートを処理した際のアンモニアを含む排水を低温で微生物を使い生物酸化する。
- 低温でも硝化を回復する。
- 硝化を改善して施設内で処理できる排水の量を増やす。
(3)1日あたりの各時期の放流水の量と規制値
項目 |
4月から6月 |
6月から10月 |
11月から3月 |
放流水 m3/day |
3500 |
2000-3000 |
5000 |
BOD(mg/L) |
25 |
25-20 |
40 |
SS(mg/L) |
50 |
50-40 |
60 |
アンモニア mg/L |
12 |
10-7 |
20 |
(4)処理方法
硝化細菌ニトロソモナスを含む微生物剤BFL5800NTの投入を曝気槽にしました。
立ち上がりの微生物剤の投入量
1日目 75リットル
2日目 50リットル
3日目 40リットル
4日目 30リットル
5日目 25リットル
保守的な投与
その後、5週間の間に120リットルのBFL5800NTを投与しました。1リットルのBFL5800NTは水温25℃で1時間あたり400mgのアンモニアの生物酸化が可能です。
(5)結果
- 2か月で硝化は回復された。
- 平均で8.5℃という低温にもかかわらず硝化を回復することができた。
- 硝化が回復次第、排水処理が可能な水量が増加した。これは大事なことで大量の排水が次のビートの収穫の前まで残留している現実があるからです。
- 流入水のアンモニアの量が1日あたり170kgであったが、硝化が確立後は排出するアンモニアは1日10kg程度となった。
以上
大量のアンモニアを含む排水の処理で硝化が上手くいかない問題を抱えていらっしゃる皆様、この機会に弊社の硝化細菌ニトロソモナスを含む微生物剤BFL5800NTをご検討ください。皆様のお問い合わせ、心よりお待ちしております。