放射性物質を含む排水を吸う吸水性樹脂と既存品との差

 放射性物質を含む排水を吸収する吸水性樹脂のウオーターワークスSP-400
今までの吸水性樹脂の違いを一言で言えば、長期間使用するものと使い
捨ての差があります。設計思想の違いと、物性の違いで説明します。

(1)設計思想の違い
 一般の吸水性の樹脂の場合は用途が紙おむつであったりして使用環境
は放射性物質に曝されたり、散布された農薬に触れるほどの過酷な環境
ではありません。使用後はゴミとして廃棄でOKです。
要求される特性は安全に、速く、できるだけ多く吸うということになります。

 これに対してウオーターワークスSP-400の場合は元々が農業用で土に埋めて
長期間、使用するというのが前提で人間に使用することは最初から考えていません。
土の環境は、四季の温度差、湿度、土の状態に変化があり、大量に化学肥料や農薬が入ってきます。この中で耐え抜いて効力を発揮するのがウオーターワークスで、他の樹脂には非常に困難なことです。

(2)物性の違い
 ウオーターワークスが作られたのは約25年前です。作る段階で
土の中で非常にタフなものというのが前提でした。

 まず、紫外線による分解を防ぐために紫外線吸収剤が含まれており、
これは紫外線の光エネルギーを熱エネルギーに変換してプラスチックの
劣化を防ぐもので、光安定剤とも呼ばれています。

 さらに様々な肥料や農薬をはじめとするケミカルが入って来る中で
樹脂の機能を保つために高い抗酸化性があります。
これにより土中で長期間、機能をします。

 こうして機能が保たれることから米国エネルギー省の放射性物質を
吸収するための試験に全てパスしています。放射性物質の場合、吸収してからのその後が大事で真水を吸収したもので20年目のサンプルがウオーターワークス社にありますが、分解によるガスの発生は何らありません。

 現実に米国内で核廃棄物に汚染された最大の場所のワシントン州のハンフォード・サイトという広大な場所でウオーターワークスSP-400は今日に至るまで使用されています。用途は放射性物質を含む液体を吸収して、固化保管というものです。

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