セシウム等の放射性物質を含む廃液、低レベル放射性廃棄物の液体を安定的に固化処理できる吸水性樹脂のウオーターワークスSP-400(以下ウオーターワークス)は米国で長年、原子力発電所や原子力関連施設での低レベルの放射性物質を含む排水を固化して廃棄するために使用されてきている特殊な吸水性樹脂です。机上の空論でなく現実に成果をあげている製品です。
アメリカ合衆国オハイオ州のマイアミスバーグにありました米国エネルギー省の原子力関連施設のマウンド施設で品質を評価する試験を行った上で使用されてきています。マウンド施設の場合はトリチウムを含む廃液でした。
低レベルの放射性物質を固める素材の変遷ですが、マウンド施設で行った実験の結果をベースに説明します。まず最初に使われたものはセメントや粘土でした。問題は固化に時間がかかったり、漏れ出てくる可能性があることでした。固まったものから漏れ出てくるのは避けなければなりません。さらに、55ガロンのドラム(約200リットル)に対して入れることのできる廃液は僅かに25ガロンでした。次に説明する他の以前の吸水性樹脂がこの改良になりますのが、セメントの重量は90kgを超える量が必要と推定されます。
その後に最初に使用した他のタイプの吸水性樹脂の場合、55ガロンのドラムに40ガロンの廃液を入れることができましたが、固めるためには200ポンド(約90kg)必要でしたし、重量も廃液と樹脂の量を併せるとかなりの重量になりました。さらに樹脂の状態が細かな粉末で作業される方には粉塵を吸いこむ危険性がありました。
ウオーターワークスSP-400の場合は55ガロンドラムに53ガロンの廃液を入れて、約4kg入れるだけで攪拌もしないで固めることができましたし、固化後も漏れることはありませんでした。