微生物剤を使う水処理の場合、実験室で効果を確認する試験を行った上で、少し大きめの1トンくらいの容量のテストプラントで試験をすることがあります。分解する対象がはっきりと分かっている場合は、実際に使用するプラントに入れた場合、予想通りに行くケースの方が多いです。
問題は成分に社外秘とされる物資が主成分でなくて少量入っていると思われる場合です。MSDSにも記載されていない成分がいくつかあるのではと思う時がよくあります。まず、MSDSに記載されている成分を順番に入れていき効果を確認して、さらに触媒のように少量使われる可能性のあるものは、専門家の意見を聞きながら入っている可能性のあるものを推定して対策方法を考えます。この時は宝探しをしているような感じです。
実際のプラントの排水を入手してプラントに入れて分解が上手く行くケースで、実際のプラントに入れて同じような条件で動かしても上手くいかない場合は、何か別の原因があるのではと探しますが、それでも分からないということもあります。pHや溶存酸素、栄養のバランスなど条件もいろいろと検討します。全体の処理の流れということもあり、さらに環境が変わるということにもよりますが、生物を利用した方法は奥が深いです。