バイオレメディエーションのメリットとディメリットは何か?

バイオレメディエーションとは生物が持つ化学物質の分解能力を利用して汚染された環境を浄化する技術です。二種類あり、栄養剤を加えて土着の微生物の活動を活発化させるバイオスティミュレーションと栄養剤などのケミカルと外部から最適な微生物剤を持ち込んで投入するのがバイオオーグメンテーションです。

バイオレメディエーションのうち、弊社の場合は微生物剤を取り扱っていますので、その立場で書いてみたいと思います。いろいろと各社のウェッブを拝読していますと違和感を感じるものも少なくないです。

研究機関の場合は、実験室で効いても現場では云々と書いてますが、それは当然なことで、そうした過程を経て微生物剤は商品化されています。微生物製剤を作る人たちは実験もしますが実用化して商業的に販売して成功して初めて結果が出ます。ですから実際の汚染現場で効かないものは売りません。

実験して、同じような環境下であれば現場で同じような結果が出る微生物剤の地道な開発を1970年代から開発したのが欧州の微生物剤メーカーで、この時期に一番時間と手間がかかる仕事をしています。技術的には一つの完成の状態にあります。

タンカーの座礁事故による原油の流失などが、よく例に出されていますが私は自然の開放された水域での微生物剤の使用は産業排水の用途で効果があるものを使っても難しいと考えます。産業排水という既に様々なインフラがあるものの中での使用を考えた方が私は良いと思います。

複数の汚染物質が入ると浄化がの難易度が上がるというのは確かですが、複数の用途の微生物剤を組み合わせることで、浄化は十分に可能です。実際の排水で汚染物質が複数入っていないような現場はありません。

バイオレメディエーションのメリットとディメリットを私なりに各5点ほど挙げます。

メリット

(1)特定の排水の処理という目的に合わせた処理が可能です。排水のタイプ応じた微生物剤が用意できます。

(2)既に世界では長い年月をかけて作られた、技術的に確立したものです。そして高い効率性があり、コストの削減に貢献ができます。

(3)既存の排水処理の設備が適正なものであれば、微生物を用いるために新たな設備投資は必要ありません。既存の設備が有効に使えます。活性汚泥法、接触酸化法、MBR(膜分離活性汚泥法)など多くの方式で微生物剤の使用が可能です。

(4)安全性が施設と作業者の双方に高いです。

(5)他の方法が不可能な場所での使用が可能ですし、他の方法と併用が可能です。

ディメリット

(1)即効性に欠けます。処理には時間がかかります。微生物を投入して5分や10分で見える成果が出てくることはあまりありあません。

(2)微生物が活発な増殖をするので汚泥の量は増えます。

(3)実行するにあたりシステム全体を理解した方がいい場合があります。少なくとも高校の生物で習得する知識がありますと理解は深まります。

(4)作業管理者の技量に依存する部分があります。特定の事態に適切な対応ができるようになるまでにしばらく時間がかかります。これは全ての仕事に共通することかもしれませんが。

(5)場合によってはケミカルによる前処理が必要な場合があります。例えば排水の流入水のpHが微生物の動く範囲内になければ適切なpHに調整する必要があります。

弊社のホームページに微生物剤のリストと微生物を使った処理について説明しているところがあります。バイオレメディエーションを考えておられる皆様、この機会に弊社の微生物剤をご検討ください。皆様のお問い合わせ心よりお待ちしております。

 

 

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