微生物の効果を判定する実験の際に微生物の増殖に必要な窒素、リンの栄養分の調整に家庭園芸用の液肥を使用すべきでない理由

排水処理に微生物剤を使用する多くの場合、事前に実験をするケースが多いです。その際、排水中に十分に微生物の栄養分として必要な窒素、リンが含まれている場合は問題ありませんが、そうでない場合、栄養分の補給をします。その際に家庭用の園芸の液肥を使うと一見良いよう思いますが、実は良くありません。

(1)家庭用の園芸肥料の場合、対象としているのは植物であり微生物ではありません。植物を対象としている以上、窒素、リンの栄養の放出のされ方は徐々に出てくる徐放性(スローリリース)です。植物の成長に合わせた放出となります。

(2)微生物の増殖は植物よりはるかに速いスピードで進みます。植物用の液肥ですと、微生物が栄養分を欲しいと思ったときに、必要なだけの栄養分を揃えることができません。栄養不足ですと有機物の分解に必要な酵素などを作りだすことができません。

(3)液肥を投入すると私たちの計算上は水中に窒素、リンがあるような計算となりますが、実際には私たちが思っているようには栄養分は利用できません。そうなると有機物の分解は上手くいきません。

(4)さらに弊社の微生物剤の場合、BOD:窒素:リンの比率が100:5:1が最適な比率なのですが、市販の液肥には窒素:リンが5:1に含まれるようなものは少ないです。

(5)何を使用して栄養分を調整するかというと、窒素分は尿素となります。44%が窒素です。ホームセンターでも入手が可能です。小袋でも売っていますし、25kg入りの袋でも売っています。溶かせば微生物がすぐに利用はできますが、問題はすぐに使われなかった分が水中あるいは土中ですぐにアンモニアに変わり、pHの数値を上げますので必要量の各25%を段階的に投入されるのをお奨めします。

リンは第二リン酸ナトリウムをお奨めします。ホームセンターではない可能性があります。実験の場合の量が少量ですと試薬での入手ということもあります。

微生物と栄養分ということになりますと、弊社の微生物のページで説明をさせていただいております。読んでいただければ幸いです。皆様のお問い合わせを心よりお待ちしております。

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