梅雨明け後の、ゴルフ場のグリーンの土中の微生物の状況

お客様からの質問で、7月後半の梅雨明け後の温度が急上昇した場合の、土中微生物による有機物の急速な分解が進みECが低下した場合の土中の微生物の状況はどうなっているのか説明してというのがありました。特に表面から5cmの芝の根のある部分の状況が知りたいということでした。

土中では様々な微生物が様々な温度帯で活動をしています。30℃あたりでは多くの微生物は活発に動き有機物の分解が促進されます。分解されたものはフミン質やその他の栄養素となり植物に供給されます。さらに植物から出てくる水と二酸化炭素もあります。窒素の循環に関係する硝化細菌もこの温度では活発に動きます。

しかし40℃を超える辺りから硝化細菌の活動は低下を始め、地表から5cm辺りの芝の根のある部分の硝化細菌の生存は厳しくなり、その場所で死ぬか、十分な水分があれば深い位置に移動して状況の好転を待つことになります。さらに、その他の微生物も高温のストレスを感じ始めると増殖にブレーキがかかります。微生物の中でもバチルスのようなタイプは芽胞を形成して土中で何年でも状況の好転を待つことができるものもあります。

40℃を超えると土中でアンモニアは生産されても、窒素の循環が硝化菌の活動の低下のために上手くいきませんし、土中のpHも上がり環境が変わり始めます。こうした中で芝に過剰な施肥をしても効果はあまり期待できません。

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