嫌気処理施設でメタン発酵をする際にバイオガスの生産性を向上しCODの数値を改善する微生物剤のケーススタディその1

酸素がある中で働く微生物は好気性微生物と呼ばれ、酸素がない環境下で働く微生物を嫌気性微生物と言います。嫌気性の微生物で処理される場合は酸発酵過程で酢酸やプロピオン酸などの低級脂肪酸となり、その後メタン発酵によりメタンと二酸化炭素になります。

好気性処理と比べた場合の嫌気処理のメリットは、組み合わせて使うことが多い好気性処理の曝気のエネルギーを削減できること、汚泥の発生量が好気性処理の五分の一から十分の一になります。さらに良いことは発生するメタンガスが燃料として使用ができるという点になります。

嫌気処理というとICリアクター(Internal Circulation Reactor)やUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)という方法が頭に浮かびますがフランスのプライドポテトやポテトフレークを製造する工場の排水を嫌気と好気の2つの方法で処理をしているケースを例にとり説明をします。

嫌気処理施設の規模は1000m3のICリアクターで一日あたりの流入水は2800m3ほどです。当時あった問題は排水のCODの改善が思わしくなく、バイオガス(メタン)の発生の量も想定より少ないことでした。

改善の目的は以下の3つです。

(1)バイオガスの生産を増やす。バイオガス生産量が増えれば、今まで使用している天然ガスの量を減らすことができます。

(2)CODの数値を改善する。CODの数値が改善されれば、次の段階での好気処理のばっ気のエネルギー量を減らすことができます。

(3)嫌気処理全体を改善することにより、次の好気処理を改善することに繋げる。

この目的のために使用された微生物剤がBFL4400ANです。

続きは次回

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