20年来、公共事業で使用されている植物用の土壌保水剤ウオーターワークスのお話です。苗木や樹木などの植物の移植の際の土壌保水剤としての効能を書いてある商品は世に多くあります。その中の吸水性樹脂とか吸水性ポリマーの分類にウオーターワークスは入ります。
20年来、防風林移植などの公共事業に使用されている訳は、以下のところにあります。植物に使用する保水剤ならウオーターワークスです。
(1) 保水剤で重要なことは、植物が水を必要とするときに必要なだけ樹脂から水を吸い上げることができるところにあります。紙おむつ用の吸水性ポリマーの多くは吸水できる倍率が書いてありますが、適切なタイミングで給水できるとは限りません。土中に水分はあっても植物が利用できない状況も出てきます。ウオーターワークスの一番の違いは樹脂に根との高い親和性があることで、植物の根は直接樹脂の中に入りそこからも吸水できます。
(2) 物作りの考えの違いとしては、紙おむつ用は用途からして使い捨てのものです、これに対して、ウオーターワークスは長い間、土中で使われることを想定されて作られたものです。長期間使用される間には、厳しい四季の変化、根から出る様々な化学成分、農薬や肥料の浸透などに耐えるような物性、高い抗酸化性がありますし、土中にも達する紫外線に対しては紫外線吸収剤が入っていて紫外線による劣化も防ぎます。こうした物性は使い捨ての吸水性樹脂には必要のない機能です。ウオーターワークスは最初から植物にのみ焦点をあてて作られたものです。
(3) 沿岸部での樹木移植の場合、ウオーターワークスを使用することにより塩類の上昇を抑えることも可能になります。津波による塩害被害地で塩害改良をした後に有効な移植手段となります。