河川の浄化の場合、周囲の清掃や他の川からきれいな水を導入して、ある程度の改善の実績を挙げている例は少なくありません。問題はそれで解決できない水底のヘドロの問題です。水底のヘドロを浚渫することは可能ですが、廃棄する場所を探す必要がありますし、コストもかかります。さらに環境に対する影響もどれくらいのものになるか分かりません。ヘドロは水底で嫌気状態となっているケースが多く硫化物の生成もあります。
ヘドロをばっ気して浄化し改善するということも実験室では可能だとは思いますが、実際の河川で広大な面積の中でばっ気をしていくというのも理論的に可能でも実際には難しい方法であると考えます。
弊社の提案は硝酸カルシウムなどの硝酸塩をヘドロの中に注入して、その後、ヘドロの分解に適した微生物剤のBFLポンドクリーン2を散布します。水底に散布後すぐに沈降して、硫化物を酸化して、さらにヘドロの内部で好気的な分解を起こさせます。この際の呼吸は酸素でなく硝酸塩のNO3からO2を取って行う硝酸呼吸となりますが、これで行うことになります。BFLポンドクリーン2は石灰化した海藻に微生物剤が入っており、散布後すぐに沈み、ヘドロに対してはピンポイントな位置に到達します。今までの微生物剤というと水中に散布しても河川の場合は特に拡散してしまい効果がなくなる傾向がありましたが本剤はそうではありません。
これは机上の空論でなく2001年から5年に渡り、香港特別行政区政府がShin Mun Riverという川のヘドロのバイオレメディエーションを行った際に使用した方法です。理にかなった方法でヘドロの分解は進みます。報告書が”Introduction of Specialised Micro-organisms for the Enhancement of Bioremediation at Shin Mun River”の名前で出ています。割と身近なところに解決のヒントはあります。日本の多くの河川でも利用可能な方法です。
日本の場合は、このような浄化手段は直ちに取ることは難しいと思いますが、河川の管理に関係する関係者の皆様にはこの機に是非ご検討していただきたい方法です。皆様のお問い合わせ心よりお待ちしております。